Orange Juice Blues

The Basement Tapes (1975年) / Bob Dylan and the Band

かの国のウクライナ侵攻以来、値上げラッシュが続いています
電気料金も痛いのですが
日々実感するのは、やはり食料品でしょう
代表格は小麦粉に食用油
一体何度値上げされたのか、もはや定かには思い出せないほどです
スーパーへ行くと憂鬱になります

とは言え、モノが店頭から消えるまでには至っておりません
しかし、ここに来て我が国の陳列棚から無くなる運命の食品が…
答えはずばり、オレンジ・ジュース
ハリケーン被害によるアメリカでのオレンジ減産に円安が重ねっての日本国内事情だとか
バヤリス、Doleは既に販売休止
サンキストも手持ち原料がなくなり次第、販売を休止するとのこと

というわけで、今回はオレンジ繋がりでアルバムを御紹介
Bob Dylan and the BandのThe Basement Tapesです
オートバイ事故後の沈黙期に別荘Big Pinkで行われたセッション集
「地下室」の邦題の方が馴染み深いかな
個人的にはとんがったDylanが好きですが
リラックスしたこちらのアルバムも悪くないと思っています
Side 1の2曲目がOrange Juice Blues

話は再びオレンジ・ジュースに戻りますが
よくよく考えたら、我が家は国産蜜柑ジュース派でして影響皆無
便乗値上げさえなければ、Tears of Rageにはならないでしょう
むしろ、長期出荷停止中のプッチン・プリンの方が気になるかな (笑

Roman Holiday

[Un] Connected (2023年) / La Bocca Della Verità

以前、とある帰国子女が出演するYouTubeチャンネルを楽しみにしていると書きましたが
番組での鉄板ネタが、カタカナ英語のとんでも発音
マクドナルドやホットドッグでは通じないと言われましても
字面だけで発音をテキトーに推測している私的には
ちょっと笑えない指摘だったりしています
敢えて言い訳をしてみれば
小学校でのローマ字学習に一因ありと言いたいところです

これに関連して、最近気になったネット記事がありまして
何でも、70年ぶりに、ローマ字表記が改められて
訓令式からより英語チックなヘボン式に移行するのだとか
とは言え、地名看板で、「チ」を「ti」とは表記しているのは見たことないし
何を今更の感は拭えないところです

さて、ご紹介のアルバムは、イタリアのプログレ・バンドLa Bocca Della Veritàの2023年作
[Un]connectedです
BancoのFilippo Marcheggianiがゲスト参加しているとのことで
コテコテのイタリア系かと思いきや意外にも正統的な英国調
4曲目あたりは、Close to the Edgeにしか聴こえないのは、ご愛嬌かと
ちなみに、バンド名は、有名な「真実の口」のこと
発音はラ・ボッカ・デラ・ベリータで合ってる?

話をローマ字表記の件に戻しますが
少なくとも、人名については、意図した通りに読んで欲しいところです
しかしながら、例えば広島カープの戸根投手
ユニフォームの背にあるTONEの文字を
英語圏の人がどう読むか、かなり不安に駆られます

でも、この話題
いろいろ突き詰めて考えていくと
オリエント急行殺人事件にもありましたが
例えば、ロシア語では、「H」は「エヌ」
ついでに言えば、「P」は「エル」の発音になるので
表記と発音の乖離の問題ってなかなか複雑で
日英間だけの問題と言うわけでもないようです

何だか話が拡散してしまい要領を得ない文章になってしまいましたが
目下最大の課題は、グレゴリー・ペックの相手役を
ヘボンと記すべきかどうかと思案しかねていることだったりしています (笑

A Study in Scarlet

Rare Bird (1969年) / Rare Bird

紅麹原料を使ったサプリメントによる健康被害がニュースになっています
私自身について言えば、この手のサプリは摂取していないので
関係ないやと高を括っていたのですが
この紅麹、美しい紅色であることから
飲食物の着色料として多数の企業に供給されていたそうで
該当商品を自主回収した食品メーカーもありました

さて、今回ご紹介のアルバムは,Rare Birdの1st
英国ロック・ファンは、お察しのことと思いますが
Side2の1曲目がBeautiful Scarletで色繋がりの選定です
こちらのバンドは、ギターレスのツインキーボード編成で
結構、凶暴なオルガン・ロックを聴かせてくれます
対してボーカルが貧相…などと評する向きもありますが
ボーカルが弱いバンドを愛でる気持ちがなければ
ブリティッシュ・ロックの真髄に触れることはできないと思っています(笑

そうこうしてたら、先日の厚生労働省の発表で
当該サプリから青カビ由来で毒性が高いプベルル酸が検出されたとのこと
製造過程で何らかのトラブルがあり
混入ないしは生成されてしまったのでしょうか?

そう言えば、先に紹介したアルバムの冒頭の曲はIcebergだったっけ
報じられている健康被害が、氷山の一角でなければ良いのだがと願いつつ
厚生労働省には名探偵ばりの素早い全容究明を期待しています


逆風

Love Beach (1978年) / Emerson, Lake and Palmer

投げれば100マイルの豪速球に切れ味鋭いスイーパー
打てば規格外の飛距離でホームラン王
常勝軍団ドジャースへ移籍し
私生活でも結婚を発表するなど
満を持して迎えた2024年シーズンの大谷翔平選手でしたが
耳を疑うようなニュースが世界を駆け巡りました
そう、通訳水原一平氏の違法賭博に伴う巨額使い込み事件です

我々の感覚では
誰よりもストイックに野球に取り組む「あの」大谷翔平が
トレーニング以外に、ましてや賭博なんぞにうつつをぬかすことなど
あり得ないと考えるのですが、
米国では、大谷自身の関与を疑う声もあり
大谷翔平のスキャンダルとして扱われているようです

さて、ご紹介のアルバムはEmerson, Lake and Palmerの1978年作Love Beach
当時のことを思い起こせば、とにかく、能天気なジャケ写真とアルバム・タイトルの受けが悪かった
今でも、YesのTormatoと共に、プログレ受難の時代を象徴する作品として取り上げられることが多いよう
ちなみに、Side Aの4曲目がThe Gambler
一か八かのポップ化路線はメディアからも酷評の嵐で、バンドも空中分解に

話は大谷翔平に戻りますが
彼に好意的な記事であっても
脇の甘さは如何ともし難いというのがアメリカ的な考え方のようで
「大人になれ」と苦言を呈した記事もあったとか
漫画の中の野球少年がそのまま現実世界に現れたような無垢な姿と
サクセスストーリーに魅せられていた私達ですが
彼の地では、成熟した大人、紳士としての振る舞いが求められているようです
とはいえ、「被害者」の方が説明責任を問われるというのは
何ともやるせない思いが募ります

今はただ、逆風に負けずしっかりと成績を残すことを切に願うばかりです