2003年、馬から羊へ

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666(1972)/Aphrodite’s Child

2002年,馬の年も残すところ3日となりました。
私の家族は大きな病気,怪我もなく,1年を過ごすことができました。
でもって,家族の今年最大のトピックスは長男Tomoの小学校入学
テレビを夢中で見ている子どもに,「宿題やったの?」と声をかけるのが,
帰宅後の最初の会話というのがパターンになりました。
来年,羊年はどうなることやら?
まあ,羊にちなんでのアルバムということになると,
本命はPink FloydのAnimals(Sheepという曲あり)なんでしょうが,芸がないので,
Aphrodite’s Childの666にしました。
(SideA-4にThe Four Horsemen,SideA-5にThe Lambあり。)
Yes に誘われたという逸話を持つキーボードプレーヤーVangelisが在籍していた(普通の人には映画「炎のランナー」の走者,
じゃなくて奏者と言った方が有名か?)ギリシャのグループ,1972年の傑作。
タイトルから察しのつく通り,黙示録をテーマとした一大コンセプトアルバムです。(LP2枚組 ! )
シンセや民俗楽器,フリーフォームなスキャット(只のうなり声?)が飛び交い,
不思議な神話の世界に引きづり込まれます。
最近はとんと御無沙汰だけど,中学・高校時代にはよく聴きました。
難解とは思わないけど,大作だし,ポップじゃない。
ライナーノートにはヨーロッパでは大ヒットしたとあるけど,今ではとても考えられない。
個人的には,King Crimsonの「宮殿」と同じくらいのインパクトを受けた作品です。
追記:もしも,このアルバムを購入されましたら,ヘッドホンの使用をお薦めいたします。
御近所,御家族の方に聴かれて,警察に通報されても当方は一切責任は持てませんので悪しからず。

2002年総括

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The Art Of Levitation(2002)/Pete Bardens
The Time Beneath The Sky(2002)/Quidam
A Nod And A Wink(2002)/Camel

2002年で印象に残ったアルバムを3枚。奇しくも全てCamel絡みとなった。
The Art Of LevitationはCamelのオリジナルメンバーPete Bardensの遺作。
別稿にも書いたけどCamel 時代の名曲Spirit Of The Waterを愛嬢が切々と歌い泣かせる。
The Time Beneath The Skyはポーランドのプログレ期待の星Quidamの新作。衝撃的だった1stを超える好作品。
シンセを基本とした分厚い音に女性ボーカルとフルートが絡み付くあのスタイルは健在。
Quidamは,現CamelのColin Bassのソロアルバムでバックを務めたとのこと。
A Nod And A Winkは我が最愛のCamelの30周年を飾る作品
日本のみのボーナストラックAfter All These Yearsは,Peteの死を受けてか,切ない泣きのギターソロ曲
2003年は,アンプラグドものの新作とワールドツアーが企画されているらしい。ぜひ日本にも来てほしいものだ。

火傷

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Close To The Fire(2000)/Kayak
Night Vision(2001)/Kayak

知り合いのJさんが灯油で火傷をしたとの情報が入った。
こりゃ大変と思い,お見舞いメールを送ったのだけど,早とちりだった。
灯油の先物取引か何かで,損をしたということらしい。
私といえば,10年くらい前に,N証券の投資信託で元本割れして以来,銀行預金しかしていない。
(大袈裟に書いているけど投資額はたった3万円なり)
まあ,デフレの時代ですから,物価が下がる分は金利があがったのと同じと思って何もしていません。
「火傷」は嫌だし。。。
左側のブルーに炎の印象的なジャケット,アルバムタイトルはClose To The Fire,。
オランダのベテランバンドKayakの2000年再結成アルバム。
リーダーはかつてCamelのメンバーだったTon Scherpenzeel。
ゲストにCamelのAndy Latimerも名を列ねる。
80年代的なポップロックとプログレ的なアレンジが絶妙のバランスを見せる好作品です。
TOTOに翳りを帯びた哀愁とプログレらしい仰々しさを少しばかりブレンドした感じ,
と言えば大体の音をイメージしてもらえるでしょうか?
右側,グリーンの最新作Night Visionはポップス指向がより強まっていて,
私の好みからはちと外れるのだけど,
傷ついた心を癒すには,むしろこちらがお薦めかも。ねぇ,Jさん! !

悲惨な物語

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Darwin!(1973)/Banco Del Mutuo Soccorso

油断していた。
その日は事務所の忘年会。ちょっと咳が切れないので朝,風邪薬を買って飲んだ。
1分もしないうちに,激しい咳と涙。見る見る内に左目のまぶたが腫れ上がっていくのが自分でもわかった。
2年前に原因不明のジンマシンに悩まされたのだが,
その時医者に原因は恐らく風邪薬と言われたのをすっかり忘れてた。
いや,ホントはしっかり覚えていたのだが,ついつい飲んでしまった。で,後の祭り。。。。
結局,その晩は忘年会には参加したものの,一滴もアルコールは口にせず,ウーロン茶を4杯。
2次会は辞退とあいなりました。
イタリアのプログレッシブロックは,陰鬱で翳りのある曲や美しい歌曲など
英国とはまた違った趣きで独自の人気を集めている。
中でもBancoはPFMやNew Trollsらとともに別格的存在。多くの名盤を残している。
美しさとはかなさ,ヘヴィーで退廃的な音がせめぎあう1973年の傑作。
6曲目にMiserere Alla Storia(悲惨な物語)があります。年の瀬にホントに悲惨な物語とあいなりました。
アレルギーの方は,おちついたので,だましだまし様子を見ていこうと思います。
年明けには病院に行こうっと。いや行かねば。。。。

七人の侍

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…And Then There Were Three…(1978)/Genesis

U.K.(1978)/U.K.
七人の侍が連日新聞記事を賑わせている。
もちろん黒沢映画の話ではなく,道路関係四公団民営化推進委員会。
地方の人間としては,高速道路凍結と言われても,にわかには同意しかねる。
だけど,日本的な水面下の調整ではなく多数決によって意見集約した今回のプロセスは,新しい時代の到来を予感させる。
もっとも,「新しい時代」が「良い時代」である保証は一切ないのだが。。。
アルバムは,Genesisの「そして3人が残った」とU.K.の「憂国の四士 」
3+4で7人。。。。かなり苦しい。5+2でないところが辛い。
「そして3人が残った」は,ピーター・ガブリエルが脱退し,フィルコリンズが主導権をとったアルバムとしてあまりにも有名。
以後,Genesisは,おどろおどろしいテアトリカルな作風は影をひそめポップス指向を高めることとなった。
「憂国の四士」の原題はただの”U.K.” ,意訳を通り越して全くの創作。
ただ,プログレの低迷が現実のものとなっていた当時のファン心理にピッタリとハマった名(迷) 訳だったと思います。
ともに1978年の作

フレッツISDN

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A New World Record(1976)/Electric Light Orchestra

About Hideで, 「通信環境-フレッ ツISDN」と書いているのだけど,結構反響がありました。
まあ,皆さん総じて「大笑い」,というところでした。
でも,県内ではADSL未提供の地域ってずいぶんあるはずです。
FTTHと言われてもまだなかなかピンときません。
実は向島町では既にフレッツADSL-8Mサービスは提供されているのですが,諸般の事情に寄りISDNのままにしています。
アルバムの方は鬼才ジェフ・リン率いるE.L.Oの”A New World Record”(邦題:オーロラの救世主)です。
Side1の2曲目にヒット曲Telephone Lineがあります。
高校時代クラスメイトのSくんがELOの大ファンで,彼の強いプッシュで買った懐かしいアルバムです。

短髪

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Short Hair(1997)/Gigi Leung

仕事のカタがついたので,気晴らしを兼ねて床屋へ行きました。 うっとおしかったのがスッキリ。
ということで,散髪にまつわるアルバムを御紹介。
昔(5年くらい前),大分へ出張した時,国民文化祭のアジア国際映画祭をやってたのだけど,
そこで「愛情無限Touch」という青春コミカル恋愛映画を見ました。内容はソコソコでしたが,
主演女優Gigi Leungの愛らしさに魅せられました。
ネットで調べてみると,彼女は香港のアイドルでした。(と言っても今ではもう26才です。)
その「愛情無限Touch」の挿入歌が「短髪」。あー長い前フリ。
だけど,これなかなか良い曲ですよ。中国語なもので歌詞がよく分からないのだけど,
失恋して髪を切るといった内容か?(自信ない)
別のLive盤を聴いてみると彼女ハッキリ言って歌ヘタでした。
でも曲はどれも良いですね。インターネット上にビデオクリップが出てますが,
これがまたとても印象的でgoodです。

Too Young To Die

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Too Old To Rock’n Roll,Too Young To Die(1976)/Jethro Tull

Too Young To Die
そう,Too Young To Die

Which Way Can I Go

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ASTRA(1985)/ASIA

どちらをとるか,選択を迫られることがある。
どちらも大切なことなのだが,両方を手にすることは難しい,そんなシチュエーション。
いわゆる究極の選択というやつ。
いろいろ悩みどちらかを選択する。
何とか片方だけはものにできた。
しかし,時は移り,なぜもう一方を得る努力をしなかったのかと誹られる。
ぼくはどうすれば良かったのだろう。

まぬけな話

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Jet Propelled Photograhs/Soft Machine

自分は,見た目は落ち着いてみえるようであ る。よく他人からはそう言う風に言われる。
最近,太ってきて益々その傾向が強い。
ところがどっこい,結構おっちょこちょいである。
しかし,失敗を取り繕うことは結構上手いし,今まで上司,先輩に恵まれてきたので仕事では事なきを得ている。
しかしながら,私生活はテキトー,いい加減,ズタボロである。
趣味の音楽で言うと,実は3枚も同じものを買ってしまったアルバムがある。
Soft MachineのJet Propelled Photograhsである。
一応,ジャケット違いなのだけど,さすがに3枚目を買ってしまった時はショックだった。
(多分大学生のころだったと思う。)
とりたてて好きと言うほどのバンドではないのだけど,サイケ,ジャズロックの大御所ということもあって,
背伸びして「見栄」で買っただけに,かえって情けない気がした。
Amasonで見てみると,淡い色調でなかなか綺麗なジャケット違いのCDがあった。
やけくそで,全部コレクションしてみようかなどと,本気で考えたりしています。
物の方は,1st前のGongのDaevid Allen在籍時,1967年頃のデモテープらしい。
3rd以降のMachineは,眉間にしわをよせながらで無いときけないが,
こいつはサイケ調で程よくポップで気楽に聴けます。

ロックアナログ名盤

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ロックアナログ名盤1967-1977(1993)/シンコーミュージック

本棚の奥からこんなタイトルの本が出てきた。
中身は1967年から1977年までの10年間のミュージックライフ誌のアルバム紹介コーナー をそのままコピーしてまとめたもの。
一応,Beatlesの”Sgt.Pepper’s Lonly Hearts Club Band”から
Eaglesの”Hotel California”や
Steely Danの”Aja”までということらしい。
60年代末期はブルースを基調としたバンドとサイケ調のバンドが活躍していたことがわかり面白 い
その中で,プログレの先駆者として,Moody Bluesのガンバリが目立つ
歴史は勝者によって語られることになるのが常だけど,こうして,「今」というフィルターから離れて,
実際の当時の記録を見てみると,現在の評価と微妙に食い違うことが興味深い。
以下,いくつか面白いと思ったことを列記します。
1/何とCamelでは, 1st,Mirage,Snow Goose,Moon Madnessの4枚が掲載されている。
Mirageの邦題が「電気楼」となっている。
2/Yesの各アルバムの評価が あまり高くないのに比べて,EL&Pの評価の高さが際立つ。
当時としては,とにかく衝撃的で格好よかったのだろう。
3/Soft Machineが4枚取り上げられている。1stが,Pink Floydの「神秘」の近くに掲載されていた。
超メジャーバンドとなったFloyd,(迷走のあげく?)片や知る人ぞ知るバンドで終わった Machine
なんとなく,感慨深いものがある
4/75年以降になると,ロックに良い意味での猥雑さがなくなり,「洗練」された作品が増えてくる。
もはや,プログレがプログレであるというだけで,
「目立った・特筆すべき」存在ではない時代に突入している

近所の中古レコード屋での事件

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Wild Frontier(1987)/Gary Moore

現在、尾道市内の勤務ということで、対岸の島、向島町に住んでいます。
まあ、広島市とは比べるべくもない小さな町なのですが、何と
最近、中古のレコード屋が開店しました。
さっそく、漁ってみると、まあまあの品揃えでした。
結局、Gary MooreやRushそして、Marillionの1stを買いました。
Marillionの1stはドラムが下手でヌルイとの情報を得ていたのですが
聴いてみると、いきなり腰高のシャカシャカギター
ドラム以前にイントロでこけてしまった。
そして…
えっ、何と 女性ボーカル ! !
ターンテーブルを止めてレーベルを良くよく見ると、歌:白井貴子とありました。
皆さん、ちゃんと検盤しましょう
後日、店主に抗議したら、Rushの”2112″と交換してくれました。